福岡県北九州市の日帰り手術専門クリニック「北九州まつむら日帰り外科クリニック」です。当院では、重度の手掌多汗症患者さまを対象に、胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)による治療を行っています。
このようなお悩みや疑問はありませんか?
手掌多汗症をセルフチェックする方法はあるの?
手の汗が止まらないけれど、重症度を自分で判断できる?
本記事では、このような疑問をお持ちの方に向けて、手掌多汗症のセルフチェック方法や重症度判定の基準について解説します。ぜひご参考ください。
手掌多汗症とは
多汗症には、全身に汗が増える「全身多汗症」と、ワキや手など特定の部位に限られる「局所多汗症」の2種類があります。局所多汗症の中でも、手のひらに多量の汗をかき、日常生活に支障をきたす症状を「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」と呼びます。
主な症状としては、手のひらに大量の汗をかき、場合によっては汗が滴り落ちることもあります。手掌多汗症は、緊張やストレスに伴う精神性発汗が主な原因とされています。
手掌多汗症のセルフチェック
手掌多汗症のセルフチェック方法には、多汗症の重症度を判断する指標(HDSS)と、手汗の症状レベルを判断するための基準があります。
HDSS
HDSS(Hyperhidrosis disease severity scale:多汗症疾患重症度評価度)は、多汗症の重症度を判定するための指標で、以下の4段階に分類されます。(3)と(4)に該当する場合、重症と判断されます。
(1)発汗は全く気にならず、日常生活に支障がない。
(2)発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある。
(3)発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある。
(4)発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある
手汗(手掌多汗症)の症状レベル
手汗の症状は、以下の基準で3段階に区分されます。レベルが高いほど症状が重く、重症とされます。
■レベル1
手が湿っている程度。触ると汗ばんでいることがわかり、光を反射して汗が光る程度。
■レベル2
手に水滴ができて濡れており、見た目でも汗をかいていることがわかる程度。
■レベル3
盛んに水滴ができ、汗が滴り落ちる程度。
手掌多汗症の検査方法
セルフチェックで手掌多汗症の疑いがある場合には、医療機関で適切な診察を受けることを推奨します。手掌多汗症の検査方法としては、主に以下の検査が行われます。
汗滴プリント法
汗に反応するヨードデンプンを染み込ませた紙を用いて検査を行います。汗が出ている部分に紙が触れると黒く変色し、その範囲や変色の程度によって発汗の状態や重症度を判定します。
重量計測法
あらかじめ重さを測ったろ紙を装着したビニール手袋を一定時間装着し、発汗量を計測します。時間経過後にろ紙の増加した重さを測ることで、発汗量を評価できます。
換気カプセル法
発汗部位にカプセルを装着し、内部に空気を送り込みます。皮膚を通過した前後の湿度を測定することで、発汗量を客観的に評価する方法です。特に微細な発汗量の変化を測定するのに有効です。
手掌多汗症の治療法
手掌多汗症の治療は、大きく「内科的治療」と「外科的治療」に分けられます。
内科的治療では、主に以下の治療が行われます。
内科的治療
外用薬(塩化アルミニウムなど)
内服薬(抗コリン薬)
イオントフォレーシス
ボトックス注射
外科的治療では、手のひらの多汗を引き起こす交感神経を部分的に遮断する「胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)」が行われます。実際の治療では、患者さま一人ひとりの状態や症状の程度、既存の治療歴などを踏まえ、最適な治療方針を検討します。
まとめ|手掌多汗症の悩みは医療機関を受診しよう
手掌多汗症は、手のひらに大量の汗をかき、日常生活に支障をきたすことがある病気です。セルフチェックでは、多汗症の重症度を判断する指標(HDSS)や、手汗の症状レベルを評価する基準が活用されます。
治療法は、大きく「内科的治療」と「外科的治療」に分かれ、患者さま一人ひとりの状態や症状の程度、これまでの治療歴などを踏まえ、最適な治療が選択されます。セルフチェックの結果、手掌多汗症の疑いがある方は、専門の医療機関で適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
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2024年10月1日に福岡県北九州市に開院予定の日帰り手術専門クリニック。
北九州まつむら日帰り外科クリニックでは、内視鏡(腹腔鏡)を用いた日帰り手術で鼠径ヘルニアや手掌多汗症を治療します。