福岡県北九州市の日帰り手術専門クリニック「北九州まつむら日帰り外科クリニック」です。
このようなお悩みや疑問はありませんか?
鼠径ヘルニアの手術では、なぜメッシュを使用するの?
メッシュを使うことで、体に危険性はないの?
本記事では、このような疑問をお持ちの方に向けて、鼠径ヘルニアの手術でメッシュが必要な理由やその安全性などについて解説します。ぜひご参考ください。
鼠径ヘルニアの治療でメッシュを使用する前の手術と問題点
鼠径ヘルニアとは、鼠径部で発生するヘルニアを指し、お腹の中の小腸や大腸、内臓脂肪などが筋肉の穴を通って皮膚の下に飛び出す状態を指します。この鼠径ヘルニアの治療は手術のみで行われ、その手術では鼠径部の筋肉の穴(ヘルニア門)を医療用メッシュで補強することが一般的です。
メッシュが使用される以前は、鼠径部の組織を縫い合わせる「組織縫合法」が主に行われていました。しかし、組織縫合法には、メッシュを使用しない代わりに術後の疼痛が多く、再発率が高いという問題がありました。
そのため、現在では「組織縫合法」に比べて再発率が低く、術後の疼痛も少ない医療用メッシュを用いた治療が主流となっています。
鼠径ヘルニア治療におけるメッシュの有用性
人工物であるメッシュを体内に留置して補強すると聞くと、違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、鼠径ヘルニアの治療で使用されるメッシュは、長年の使用実績によりその安全性が確立されています。
また、先ほどもご紹介しましたが、メッシュを使用しない治療法(組織縫合法)では、再発リスクが高まり、術後の痛みが強くなる傾向があります。メッシュを使用した治療の再発率は約1〜3%と低く、一方で組織縫合法の再発率は約10〜15%とされています。このことから、メッシュを用いた治療の有用性が明確に示されています。
メッシュを用いた鼠径ヘルニアの手術方法
メッシュを用いた手術方法(術式)には、主に「鼠径部切開法」と「腹腔鏡手術」の2種類があります。それぞれに異なる特徴やメリット・デメリットがあります。
鼠径部切開法
鼠径部切開法は、従来から行われている手術方法です。
この術式では、鼠径ヘルニアが発症している部位の皮膚を5~8cmほど切開し、筋肉をよけてヘルニアの腹膜や穴(ヘルニア門)を確認します。その後、医療用メッシュを用いて欠損部位を覆うか埋めることで治療を行います。手術の所要時間はおよそ30分です。
鼠径部切開法のメリット・デメリット
■メリット
・全身麻酔が不要で、局所麻酔のみで手術が可能。麻酔によるリスクが軽減され、全身麻酔が適さない患者さんにも対応できる。
■デメリット
・傷が大きくなるため、術後の痛みが強く出やすい傾向がある。
・手術部位に神経が存在するため、術後に神経痛が発生する可能性がある。
腹腔鏡手術
腹腔鏡手術は、1996年に日本に導入された方法で、腹腔内から手術を行う手技です。
この術式では、お臍と左右の腹部にそれぞれ5mmの筒を挿入し、カメラでお腹の中を確認しながら進めます。ヘルニアの原因となっている穴(ヘルニア門)を確認した後、腹膜を広範囲に剥離し、医療用メッシュを展開して修復します。
腹腔鏡手術のメリット・デメリット
■メリット
・メッシュを広範囲に確実に展開できるため、修復効果が高い。
・鼠径部切開法と比較して術後の痛みが軽減される。
・対側(反対側)の鼠径部も同時に確認でき、対側ヘルニアのリスクを把握することが可能。
■デメリット
・全身麻酔が必要であるため、全身麻酔が適さない患者さんには手術が困難な場合がある。
・手術時間がやや長く、片側で約1時間、両側で約2時間かかる。
まとめ
鼠径ヘルニアの治療は手術でしか行えず、手術では鼠径部の筋肉の穴(ヘルニア門)を医療用メッシュで補強することが一般的です。
「メッシュ」と聞くと違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、鼠径ヘルニアの治療で使用されるメッシュは、長年の使用実績によりその安全性が確立されています。また、再発率もメッシュが普及する前に行われていた「組織縫合法」と比較して低く、高い有用性が示されています。
鼠径ヘルニアの治療は北九州まつむら日帰り外科クリニック
福岡県北九州市の北九州まつむら日帰り外科クリニックは、鼠径ヘルニアに特化した専門クリニックです。当院では、内視鏡(腹腔鏡)を用いた日帰り手術で鼠径ヘルニアを治療しています。
診療を担当する松村院長は、外科専門医(日本外科学会認定)、消化器外科専門医(日本消化器外科学会認定)に加えて、日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科 鼠径ヘルニア)を取得しています。
技術と経験に基づく内視鏡日帰り手術による治療を提供致します。
鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。
2024年10月1日に福岡県北九州市に開院予定の日帰り手術専門クリニック。
北九州まつむら日帰り外科クリニックでは、内視鏡(腹腔鏡)を用いた日帰り手術で鼠径ヘルニアや手掌多汗症を治療します。